3千円のオニギリのように生きる

昨日、目を疑ったもの。 
オニギリ一つ、約20.89ドル(税込)。 日本円で約3,088円。 

値札の張り間違いかと思い、思わず他のおにぎりも確認してしまったが、間違いではなかった。
どれだけ高級な具を使ってるんだろう?キャビアとか金粉とか入ってるのかな?と確認したら、普通にツナだった。
ちなみに、お米ではなくカリフラワー米を使ったオニギリ。 

そんな驚きオニギリを売っているのは、ホールフーズを上回る超高級スーパーと言われる「エレウォン(EREWHON)」
LA在住のローラさんのお気に入りでもあるそう。 しかも驚いたのは、何と創業者は日本人。マクロビを世界に広めた久司夫妻がボストンに小さなお店を開いたのが始まりだとか。(ただ、2011年に別のアメリカ人夫妻が買い取っている) 

オニギリの他にも、お店のトートバッグ(ショッピングバッグ)が135ドル(約2万円)(税別)だったりして、いちいち一桁違う。アメリカの物価の高さは知っていたが、このスーパーは文字通り桁違いで衝撃。

もちろん、と言うべきか、高額なのには理由があり、このスーパーは地球環境、地産地消、持続可能性、アニマルウェルフェアなど、かなりこだわりを持っている。
例えば100%生成分解できるジップロックのようなバッグや使い捨てカップなど、「環境にやさしい生活をしたいけれど、しかし便利だから時々使ってしまうプラ製品の代用品」も置いてあった。

スターチなど植物製だから土に還る
100%生成分解できる透明カップ

正直、オニギリ約3千円を見たときは「それにしても高すぎだろ!」とツッコミを入れたくなった(と言うか、心の中で入れていた)。
しかしお店の理念を読んで思ったのは、確かに、地球にも消費者にも社会にも優しい商品を提供するには、本当はお金(エネルギー)がかかるのだよな、ということ。異常に安すぎる商品というのは、どこかーーーそれは動物かもしれないし、地球環境かもしれないし、労働者かもしれないーーーに皺寄せがいっているわけで。

ということは、エレウォンのような色々な面で振り切った企業が「あそこの商品を買いたい」「あそこのスーパーに商品を卸したい」と思われるブランド企業として存在することは、ある意味、人々や企業への啓蒙活動になっていると言える。つまり、長い目で見たら社会を変える可能性がある。

歴史を振り返ると分かるが、いつの時代も当時の常識にとらわれない人たち、非常識なほどに振り切った人たちによって、社会は進化している。

そう思うと、社会の常識がどうであれ、自分の中の真実を信じて貫くことの大切さを思い知らされる。それがたとえ、側から見たら非常識で、振り切っているように見えても。

せっかくこの世に生まれてきたからには、時代の常識に絡め取られることなく、自分の感覚を信じ、自分の中の真実を貫き通し、振り切って生きたい。(3千円のオニギリのように)

買ってもいないのにそんな気づきをくれたエレウォンの3千円のオニギリは、やはり色んな意味で規格外である。