自分をハッピーにし理想の社会をつくる、日々の小さな選択

ここ最近ずっと、靴を探していた。
歩きやすくて、デニムにもスカートにも合わせやすくて、そして自分が気に入るデザインの靴。

世の中にはたくさんのお店があり、数々の商品が並んでいる。
けれど、「自分が本当に気に入るもの」を探すとき、意外と見つからなくて驚く。
靴に限らず、洋服もそうだし、キッチン用具もそうだし、誰かにあげるプレゼントを探している時もそう。

少し前までの私は、100%納得しなくても、
「まぁ今20%引きだし」
「デザインはあまり好きじゃないけど、とりあえず用途は満たすし」
という感じで、60-70%納得で商品を購入していた。
(正直に白状すると、「この値段ならまぁ買っておこう」というふうに、値段が理由で妥協して購入することが一番多かった。)

しかし、少し前に「ミニマリスト・コーチング」なるものを受けたとき、自分の所持品について以下の事実を目の当たりにし、衝撃を受けた。

  1. 60-70%納得で購入した物は、結局、後で別の物を買い直している。
  2. 60-70%納得で購入した物は、結局、使用頻度がとても低い。場合によっては、1回も使わずに仕舞い込んでいる。
  3. 100%納得で購入したものは、傷んできてもメンテナンスしながら長年愛用している。
  4. 100%納得で購入したものを使う時は、気分がすごく良い。(たとえ傷んできて、穴が空いていても)

特に1と2の事実が私の目を覚まさせた。
これってつまり、完全に「安物買いの銭失い」である。
さらに、処分の仕方によってはゴミを増やしてしまうから、エコの観点からも、全然好ましくない。
win-winの逆、lose-lose。
なんということ!

それ以来、「これからは100%完全に納得したものしか購入しない!」と決意した。

で、靴である。
冒頭に買いたように、最近ずっと靴を探していた。
あんまりにも100%納得の靴が見つからないので、何度か、
「うーん・・・。すっごい気に入ってるワケじゃないけど、すっごく気に入らないワケでもないから、まぁこれでもいいかなぁ?今日からちょうど20%引きだし」
と、お得意の”中途半端・納得買い”をしそうになった。
しかしその度に、「ミニマリスト・コーチング」のことを思い出し、
「ダメダメダメ!本当に納得するものと出会えるまで、買っちゃダメだ。それまではランニング・シューズを履いて凌げばいい」
と、自分に言い聞かせた。

そして昨日。
ついに、とても気に入った靴に出会えた。
予算を少しオーバーしていたけれど、デザインも色も履き心地も、そして企業姿勢にも納得できる靴で、大・大・大満足。

今回、改めて実感したのは、「本当にお気に入りのモノ」は、気分をすっごく上げてくれるということ。
それから、本当にお気に入りのモノを真剣に選ぶと、「自分は何が好きで、どんなことを大切にしている人間なのか?」など、自分という人間がよりクリアに見えてくるということ。
これらを総合的に考えると、本当に気に入っているモノは、数字の値段が高くても、実際には高くはない。(だから目先の値段で購買を決めてはいけない。絶対に!)

ちなみに、購入した靴は、フランス発Vejaのスニーカー。

画像
写真だと黒く見えるけれど、実物はチャコールグレー

最近ファッション雑誌を読まないので存在を知らなかったのだけど、オランダの街中で履いている人を時々見かけ、「あのデザイン、好きかも」と思って調べた。

その結果、
・アップサイクル。フランネル(生地の種類)は100%リサイクル素材使用。
・タックス・ヘイヴンに支店を持たない銀行とのみ取引。
・広告を一切出さず、そのコストを全て製造にあてている。
・徹底した「ゼロ在庫施策」により、生産性を高め、消費者に販売する商品の価格を抑える工夫をしている。
・フェアトレード。コットンとラバーはブラジルとペルーの生産者から直接仕入れている。
…等、知れば知るほど、素晴らしい&大共感の企業理念で経営されている会社だった。
(参照:Veja

社名の「Veja」というのは、ポルトガル語で『見る(look)』という意味で、「すてきな靴が「靴の『向こう側』に何があるのか?」という問いかけをしていて、『向こう側』へ目を向ける招待状みたいなもの」だそう。
Fragmentsのインタビュー記事より )

「買い物は投票」とはよく聞くけれど、確かに、日々の買い物で意識的に「本当に100%気に入るもの」「企業姿勢に賛同する会社の商品」を選択することは、自分をハッピーにし、さらに、より良い世界の実現に貢献できることを、今回感じた。

日々の小さな選択が、自分をつくり、世界をつくるのだ。